『それ、AIが作ったので』がついに身近でも…実務でAIを取り入れるときに絶対に手放してはいけないもの

こんにちは!

先日、知人の職場で「書類の違和感を指摘された部下が『だってAIがそう書いたので』と言い訳をした」というエピソードをご紹介しましたが……なんと、ついに私自身の身近でも全く同じような出来事が起きてしまいました(笑)。

今回はそのリアルな体験談と、そこから考えた「実務でAIを活用するうえで、私たちが絶対に手放してはいけない姿勢」について書いてみたいと思います。

身近で起きた「AIが作ったので」事件

先日、直接の上下関係ではないものの、ある方から「作成中のLP(ランディングページ)についてアドバイスがほしい」と相談を受けました。

全体を拝見したところ、サービスを紹介するコピーのある部分がどうにも回りくどく、初見では理解しづらい表現になっていました。 そこで、「この部分、もう少しわかりやすい表現に変えてみてはどうですか?」とご提案したところ、返ってきたのは思いもよらない一言でした。

「このサービス自体、私は使ったことがないのでよくわからないんですが……AIに指示したらこの説明文が出てきたので、そのまま採用しています」

……正直なところ、一瞬どう返答すべきか言葉に詰まってしまいました。

「あなたに伝わらないものは、お客様にも伝わらない」

頭の中で色々と整理しながら、私はこのように言葉をお返ししました。

「LPを訪れるお客様も、多くは初めてそのサービスを見る方たちですよね。このままの説明文だと、作ったご本人が理解できていないだけでなく、訪れたお客様も何のことかわからなくなってしまいます。

細かい機能の細部までは分からなくても、『このサービスが提供できる本当の価値』や『実現できること』自体は決して複雑ではないはずです。まずはそれをシンプルに、自分の言葉でギュッと要約してAIに指示を出し直してみてはいかがでしょうか」

まさか、前回のブログで書いたような「それはAIが作ったんですよ」という責任逃れの台詞を、自分の身近で直接耳にすることになるとは思っておらず、驚きと同時に強い危機感を覚えました

もちろん、ツールの使い方や仕事に対する価値観は人それぞれですし、他人の道徳観まで他者が完全にコントロールできるものではありません。

しかし、もしビジネスの現場で「AIが作ったものだから自分に責任はない」と考える人が増えているのだとしたら、これは非常に危うい兆候ではないでしょうか。

「ポテトサラダ論争」との決定的な違い

この出来事を振り返っていて、ふと思い出した話があります。

数年前にSNSで話題になった「スーパーのポテトサラダ論争」を覚えているでしょうか?

仕事や家事で忙しいお母さんが、夕飯の一品としてスーパーのお惣菜のポテトサラダを買って食卓に並べたところ、見知らぬ人から「母親ならポテサラくらい手作りしろ」と苦言を呈された……というエピソードです。

あの論争は、「手間暇をかけて手作りすることこそが美徳であり愛情だ」という古い価値観と、「忙しい日常の中で便利なものを賢く取り入れて負担を減らす」という現代の合理性の衝突でした。

しかし、今回私が感じている問題は、「人の手間がかかった手作りのほうが偉い」という話ではありません。

私自身、業務効率化や負担軽減のためにAIを積極的に取り入れることには大賛成の立場です。

問題の本質は、「手抜きかどうか」ではなく、「最終的な責任を誰が背負っているか」にあります。

AIは謝罪もしてくれなければ、責任も取ってくれない

もし「AIが勝手に出力した文章だから」という言い訳が許されるなら、極端な話、仕事で起きる都合の悪い結果はすべてAIのせいにできてしまいます。

  • 「売上が伸びなかったのは、AIが考えたLPのコピーが悪かったから」
  • 「お客様に誤解を与えたのは、AIがそう説明文を書いたから」

これでは、仕事として成立しませんよね。

将来的にAIがさらに進化すれば、使う人間の指示力や理解度に関わらず、驚くほど高精度な答えを出してくれたり、AI自身が結果に保証をつけてくれるようなSFの世界がやってくるのかもしれません。

しかし、少なくとも当分の間、ビジネスの基本構造は変わりません。

  1. 依頼された人間が、一定の責任を持って業務にあたる
  2. 「なぜこの結論になったのか」「なぜこの言葉を選んだのか」を自分の言葉で説明できる
  3. 困っている人の課題を解決し、相手に納得と感謝を届ける
  4. その対価として報酬が支払われる

この一連の信頼関係の中に、AIが身代わりとして入ることはできません。

最後に:AIが出した答えを「選択」したのはあなた自身

AIは、業務のスピードを何倍にも引き上げてくれる最高のアシスタントです。

面倒な下書きやアイデア出し、プログラミングの骨組み作りなど、頼れる部分はどんどんAIに任せて負担を減らすべきです。

ただし、「AIが出してきた無数のアウトプットの中から、どれを採用して世に出すか」を決めているのは、常に使う側の人間です。

「AIが作ったから」と丸投げして思考停止してしまうのか。

それとも「AIの力を借りつつ、最後は自分の責任と意志でお客様に届ける」のか。

便利な時代だからこそ、私たち一人ひとりの「仕事に向き合う姿勢」が問われているのだと、今回の体験を通して改めて強く感じさせられました。

目次